美容室の店舗デザイン・設計依頼から完成までの流れ

美容室の店舗デザインについて、業者への設計依頼から完成までの流れを、順を追って紹介しています。美容室のデザインは顧客を呼ぶうえで特に重要なので、美容室の開業をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

美容室の開業において、店舗デザインはとても重要です。本記事では、業者への設計依頼からデザインの完成まで、店舗デザインの流れを紹介しています。

美容室のデザインを依頼する業者

美容室のデザインを依頼する業者には、いくつかの候補先があります。

主な依頼先は、「工務店」と「店舗デザイン会社」です。

工務店は、基本的には工事を専門に請け負っている業者です。ただ、店舗の設計を請け負っている工務店もあり、このような工務店なら設計から工事までを通しで行ってくれます。

店舗デザイン会社は、その名のとおりデザインに強みを持つ業者です。ただ、工事まで行っている業者はそれほど多くありません。店舗デザイン会社に設計を依頼する場合は通常、工事を行う工務店を別に探す必要があります。

どちらがよい・悪いというわけではありませんが、重要なのは美容室の設計になれている業者を選ぶことです。業者により専門分野があり、たとえば、飲食店のデザインは得意だけれども美容室のデザインはやらないという業者もあります。

選ぶ際のポイントとしては、「デザインへのこだわり度」や「費用」「スムーズさ」などが挙げられます。

デザインにこだわるのであれば、店舗デザイン会社一択です。工務店でもデザインは請け負っていますが、やはり詳細までこだわりたいのであれば店舗デザイン会社に分があります。

費用やスムーズさを求めるのであれば、デザインも可能な工務店がいいでしょう。

業者を選ぶ際は、自分が希望するデザインを念頭に、業者が過去にデザインした物件も必ず確認しておきましょう。「この業者なら間違いない!」という業者が見つかるかもしれません。

店舗デザインの流れ

ここからは店舗デザインの流れをご紹介します。

店舗デザインを依頼する業者との打ち合わせ

打ち合わせでは、頭の中にあるイメージを設計担当者に伝えることになりますが、話だけですべてのイメージを伝えることなど不可能です。イメージを的確に伝えるために、ビジュアルエイドを用意しておきましょう。インターネットで自分のイメージに近い画像を検索したり、雑誌で見つけた什器の画像を切り抜いたり、とにかく、視覚的にイメージを伝えられそうなものは片っ端から用意しましょう。

打ち合わせの際は、業者に対し、予算も伝えておきましょう。店舗デザインを始めてみると、「あれもやりたい、これもやりたい」になるものです。しかし、現実は厳しいもの。業者に予算を伝えておけば、その予算内でできるように設計段階で調整してくれるので、あとで迷うことはありません。

業者は、打ち合わせで得た情報を基に、1~2週間程度でパースなどの成果物と見積りを用意してくれます。見積りについては、専門用語が使われていてよくわからない場合があるかもしれませんが、不明な部分はすべて確認・理解してから仕事を依頼するようにしてください。

工事を担当する業者を選定

工務店に設計を依頼する場合は、設計から工事まで通して担当してくれる業者を選ぶと、スムーズに工程が進みますし、店舗デザイン全体にかかるお金を節約することが可能です。

店舗デザインの専門業者に設計を依頼する場合は、別途、工事を担当する工務店を選ばなければなりません。業者側が工務店を紹介してくれることもあるため、自分で探した業者も含め、2~3社程度に絞って見積りを依頼するといいでしょう。

着工

工事を担当する業者が決まったら、いよいよ着工です。作業の流れの決定や職人さんの手配は、すべて業者がやってくれるので、施主がやることは特にないのですが、スケジュールどおりに作業が進んでいるか、ときどきチェックに行くことはとても重要です。現場に顔を出すことで、業者側も「手を抜いて仕事はできない」と考えてくれるので効果的です。

竣工

工事が終了したら、内装、設備、什器の配置など、すべてを確認します。不具合はこの段階で気づかないと修復できない場合があるので、隅々まで目をこらしてチェックしましょう。不具合や問題がすべて解決されたら引き渡しとなります。

美容室を開店するまでにかかるお金

ここからは、美容室の店舗デザインを含む、開店までにかかるお金について考えてみましょう。まず、どんな費用がかかるのか確認します。

・設計費用
設計費は、デザインと店舗の設計にかかるお金です。工務店が設計から工事をすべて担当する場合はかかりません。

・工事費用
工事を担当する業者に支払います。内装や看板、設備工事などの費用がここに含まれます。

・物件取得費用
家賃や仲介料、保証金など、美容室の物件取得にかかる費用です。

・開店準備費用
広告費や人件費など、開店するために必要な準備にかかる費用です。

設計費用を算定する方法

初めて店舗を出す場合は、設計費用の目安などなかなかわからないはずです。業者によって算定方法は異なりますが、多いのは「坪単価」、もしくは「工事費の10%」です。

すでにお話ししているとおり、工務店に設計から工事までを担当してもらう場合は、この設計費用はかかりません。

業者側にまかせる部分が多くなると、設計費用に反映される傾向があるので、打ち合わせの際にできるだけはっきりとイメージを伝えると、安めに見積もってくれることが多いようです。

工事費用の相場

工事の費用は、工事の範囲やデザインの難易度などが考慮されるため、幅が広くなりますが、相場は30~60万円/坪程度です。広い物件になるほど、坪単価は下がるのが普通です。工程や職人さんに支払う工賃は、広かろうが狭かろうが変わらないからです。

お金を支払うタイミング

設計費用や工事費用は、依頼する業者によって支払いのタイミングが異なります。

設計費用に関しては、設計図ができあがった時点で半分、物件の引き渡し時に半分を支払うのが一般的です。

工事費用に関しては、頭金を引き渡し時に支払い、残りは分割で支払うのが一般的です。

店舗デザインは美容室の最重要課題

美容室はサービスを提供する場所ですが、顧客はサービスだけを美容室に求めているわけではありません。多くの顧客は美容室に心地よさを求めています。心地よい空間で魅力的になるという体験を求めて美容室にやってくるのです。

近年、SNS経由のシェアや口コミから美容室を選ぶ人たちが増えています。顧客が美容室で体験したことそのものがシェアされ、それを見た別の人がその美容室を訪れるという流れができているのです。美容室がこの流れを利用しない手はないでしょう。

店舗デザインは、顧客が美容室を探す際の決め手になります。髪型のサンプルではなく、美容室の雰囲気を伝えることが、集客につながるのです。美容室は、ほかの業種よりも店舗デザインがより重要です。あなたの美容室の個性を、店舗デザインで表現して集客につなげてください。

まとめ

美容室の店舗デザインについて、設計から完成までの流れを中心にお話ししてきましたがいかがでしたか?美容室を際立たせる要素は、カットの技術やコミュニケーション以外にもあります。美容室の雰囲気は、なかでもとても重要な要素です。「スタイリッシュ」「ゴージャス」「北欧スタイル」など、美容室にはさまざまなスタイルがありますが、美容室を開業する際は、店舗デザインで個性を表現することを意識してください。